2005年10月11日

食事療法を続けるとやせる?

医師から指示された食事療法を守ると、どんどん体重がやせてしまって心配という方が、ときどきいらっしゃいます。医師が指示する食事のカロリーについて、今回は考えてみたいと思います。

2型糖尿病の治療の基本は、食事療法、運動療法です。食事療法は、1400kcal、1600kcal、1800kcalなど、具体的な指示を受けることが多いと思います。この指示カロリーは、ほとんどは、 食事療法の基本で説明した方法で求めることが多いです。簡単に説明しますと、

  1. 身長から標準体重を求めます。
  2. 身体活動量(体をどのくらい動かすか)を、予測します。
  3. 標準体重と身体活動量から、指示カロリーを求めます。

詳しくは、食事療法の基本を参考にしてください。そこでも説明しましたように、これはあくまでも摂取カロリーの目安です。身長と身体活動量(の予想)だけで、適切な摂取カロリーがわかるとは限りません。したがって、このカロリーが理想とは限りません。経過をみて、指示カロリーを変更する必要も出てきます。

  • 摂取カロリーを守ってもどんどん太るのであれば、さらに摂取カロリーを減らす必要があるかもしれません。
  • 摂取カロリーを守って、どんどん痩せていくのであれば、摂取カロリーを増やす必要があるかもしれません。ただし、血糖値が悪いときにやせるのは、摂取カロリーが足りないからではありません。血糖コントロールが悪いから、やせてしまうのです。

医師から受けた指示カロリーは、一生不変な絶対的なカロリーではありません。年齢、肥満の有無、体重の推移、合併症の有無により変更する必要があります。肥満があっても、あまりにも早くやせる必要はありません。もともとやせている方、または標準体重に近い方はやせる必要はないケースがほとんどです。現状維持が目標になります。

指示カロリーに不安があるときは、主治医に相談してみましょう。

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2005年03月16日

食品交換表とは

食事療法の基本でお話した通り、糖尿病の食事療法の原則は

  1. 適切なカロリーの摂取
  2. 糖質、脂質、蛋白質をバランスよく食べる

です。

このような食事の献立を誰でも立てられるように作られたものが、 糖尿病食事療法のための食品交換表です。

食品の分類

食品交換表では、食品に含まれている栄養素によって、食品を6つのグループに分類しています。

表1:主に糖質(複合糖質)を含む食品
穀物、いも、糖質の多い野菜、豆などです。
表2:くだもの
ほとんどが単純糖質の果糖です。
表3:主に蛋白質を含む食品です。
魚介、肉、卵、チーズ、大豆とその製品などです。
表4:牛乳と乳製品(チーズを除く)
カルシウムの供給源でもあります。
表5:主に脂質を含む食品
油脂、調味料のドレッシング、マヨネーズ、ベーコンなどです。
表6:野菜、海草、きのこ、こんにゃく

食品が6つのどのグループに含まれているのかを知っておくと、栄養バランスのよい献立を立てることができます。

食べる量のものさし

食品交換表では、80キロカロリーの食品の量を1単位と呼んでいます。

1単位=80キロカロリー

食品交換表には表ごとに各食品の1単位当たりの重量がグラムで示してあります。

指示エネルギーが1600キロカロリーの場合では、1単位=80キロカロリーなので、

1600÷80=20単位

となり、1日20単位の食品を選んで献立をつくればよいということです。

20単位のうち、どの表から何単位を摂取するかについては、代表的な例は食品交換表に載っています。 具体的には、担当医、栄養士とも相談して決めてください。

食品は「交換」できる

表1から、1日12単位食べるように指示されたとします。3食に分けると1食4単位になります。 単位数が4単位であれば、表1の中から好きなものを食べることができます。 ご飯200gの代わりに、食パン120gを交換して食べることができます。 このように、同じ「表」の中にある食品であれば、どの食品を摂取しても、栄養のバランスが崩れることはありません。

食事療法のバイブル

食品交換表は、昭和40年に初版が発行され、以後、改定が重ねられ、長い間、糖尿病患者さん、 医療関係者に使われている本です。糖尿病の食事療法のために必須の本です。 写真も多くわかりやすいと思います。献立の例は、ほとんど載っていませんが、食事療法の基礎を知るためには必須の本です。

糖尿病の食事の献立に関する本はいろいろ出ています。 献立の本も参考になると思いますが、食品交換表を理解していると、自分でいろいろとアレンジを加えることができます。

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2005年03月11日

食事療法の基本

食事療法の基本は

  1. 適切なカロリーの摂取
  2. 糖質、脂質、蛋白質の適切なバランスをとる

です。

適切なカロリーの摂取

過剰なカロリーを摂取すると、体重が増えてしまいます。すると、インスリンの効き目が悪くなり、 悪循環になってしまいます(糖尿病の治療 もご覧ください)。

逆に、体重が減るとインスリンの効き目はよくなり、血糖値は改善します。 適切なカロリー摂取は体重減少をきたす前に、血糖コントロールがよくなることが知られています。

適切なカロリー摂取は糖尿病治療の根本です。

それでは、適切なカロリーとはどのように決めればよいのでしょうか?

原則は エネルギーバランスを均衡に保つ(または負にする)ということです。

つまり、

  • エネルギー摂取量(食事量)と
  • エネルギー消費量

のバランスを保つことです(減量する場合は、負に保つ)。

エネルギー消費量は

  • 基礎代謝
  • 食後の熱産生
  • 身体活動に伴うエネルギー消費(運動量)

から成り立っています。

  • 基礎代謝とは、呼吸をしたり、心臓を動かしたり、生命を維持するために必要な最低限のエネルギーのことです。
  • 食後の熱産生とは、食事をとった後に、自律神経を介して起こる熱産生です。食事をとった時に、汗が出たり、体温が上昇して体がほてったりするのを誰でも経験していると思います。それが、食後の熱産生です。
  • そして、運動により使うカロリーです。

しかし、これらのそれぞれを正確に測定することは困難です。

基礎代謝は、年齢、身長、体重、脂肪量、筋肉量などからある程度推定することはできますが、 正確な測定は困難です。

食後の熱産生を測定するのも困難です。運動量も体重、運動の種類、運動時間などにより、 おおよそ予測することはできますが、正確に測定するのは困難です。

エネルギー消費量を正確に測定するのは困難であり、それではエネルギー摂取量(食事量)を決めることができません。 それでは、どうすればよいのでしょうか?

妥協策として、まず標準体重を求めて、その人の運動量に応じて、必要なエネルギー量を推定して、 食事量を決めることが多いです。標準体重の決め方にはいろいろありますが、Body Mass Index (BMI)法を使うことが多いです。

BMIは

BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)

で求めることができます。

BMI 22前後の人が最も病気になりにくいとの研究結果から標準体重は

標準体重 = 身長(m) x 身長(m) x 22

で求めることができます。

摂取エネルギーの目安は

摂取エネルギー量 = 標準体重 x 身体活動量

で求めます。

ただし身体活動量(kcal/kg標準体重)は

労作 身体活動量(kcal/kg標準体重)
軽労作(デスクワークが主な人、主婦など) 25-30
中労作(立ち仕事が多い職業) 30-35
重い労作(力仕事の多い職業) 35-

となります。

この計算式で求められる摂取エネルギー量の目安は、あくまで「目安」であって、 年齢、性別、合併症の有無、肥満の有無などによって、適切な摂取エネルギー量は変わります。

さらに、体重の推移をみて変えていくこともあります。 摂取カロリーを守っていても、どんどん太っていくようであれば、摂取カロリーを減らしていく必要があります。 肥満が改善しない場合も、減らす必要があるかもしれません。 逆に、良好な血糖コントロールがされていて、どんどんやせていく場合には少しずつ摂取カロリーを上げていくことがあります。 ただし、血糖コントロールが悪いときに体重が減っていくのは、摂取カロリーが少ないからではなく、 血糖コントロールが悪いため体重が減っているので、摂取カロリーを減らすことはありません。 血糖コントロールをよくすることが先決です!

糖質、脂質、蛋白質の適切なバランスをとる

摂取エネルギー量の50-60%を糖質(炭水化物)とし、蛋白質は標準体重1kgあたり1.0-1.2g、 残りを脂質でとるようにするのが基本です。脂質の摂取量は総エネルギー量の25%以内にするようにします。

これだけの説明で、食事を決められる人はほとんどいないと思います。 糖尿病の方は、栄養士に指導を受けることをお勧めします。保健所などでも受けられることがあります。

重要なポイントをあげておきます。

脂肪の摂取を控える
脂肪を摂取し過ぎると、インスリンの効き目が悪くなる可能性があります。脂肪を摂取しすぎると、体重が増加しやすくなります
単純糖質の摂取を控える
同じ炭水化物(糖質)でも、ご飯、パン、麺類などの糖質は「複合糖質」とよばれ、消化に時間がかかり、満腹感も得やすくなります。 一方、果物、清涼飲料水、お菓子などに含まれている、ショ糖、果糖などは「単純糖質と呼ばれ、腸からすぐに吸収されます。 すぐ吸収されるため、血糖値が上がりやすくなります。 また、複合糖質と比べると満腹感が得にくくなります。 果物はビタミンを含むのである程度の摂取は必要ですが、とり過ぎないようにしないといけません。

簡単に言うと、脂っこいものと甘いものを食べ過ぎないようにするのが基本です。 繰り返しになりますが、少なくとも一度は栄養士に指導を受けることをお勧めします。

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