2005年04月15日

低血糖とは

糖尿病のお薬の話を進める前に、低血糖の話をしておきたいと思います。インスリン治療や糖尿病の飲み薬を使っている方には、低血糖が起こる可能性があるからです。

低血糖の症状

血糖値が下がり始めると、体は血糖値をなんとか上げようとして、血糖値を上げるホルモンを出します。血糖値を上げるホルモンにはグルカゴン、カテコールアミン、成長ホルモン、副腎皮質ホルモンなどがあります。

  1. カテコールアミンが出ることにより、発汗、動悸(胸がどきどきする)、手指が振るえる、不安感などの症状が出ます。これは、警告の症状です。このときに、「まぁ、大丈夫だろう」と放っておかずに、適切な対処をすることが大切です。
  2. このまま、放っておいて、血糖値がさらに下がると、脳の働きが低下してきます。そのため、目のかすみ、眠気、生あくびなどの症状が出ます。
  3. さらに血糖値が下がると、意識が悪くり、意識を失ってしまいます。けいれんがおこることもあります。

1の症状は、体がなんとか血糖値をあげようとしている反応です。このときに適切な対処をすれば、大きな問題はありません。どの症状が出るかは、個人差があります。同じ人では、だいたい同じ症状が出ることが多いです。自分の症状を覚えておくようにしましょう。

2,3は、脳が十分に機能できなくなり、出てくる症状です。脳は必要なエネルギーのほとんどをブドウ糖に頼っています。したがって、血糖値が下がると脳が十分働かなくなるのです。

血糖値がいくつなら、低血糖?

では、どのくらいの血糖値になると、低血糖症状が出るのでしょうか?おおよその目安として、血糖値が60-70mg/dl以下になると、症状が出ることが多いです。しかし、低血糖症状が出る血糖値は、人により異なります。普段血糖値が高い人は、100mg/dlでも低血糖症状が出ることがあります。逆に、普段血糖値が低い人は、60mg/dlでも低血糖症状が出ないことがあります。また、低血糖を何度も繰り返していると、血糖値が下がっても、発汗、動悸、手指が振るえるなどの症状がないまま、意識が悪くなることがあります。

低血糖への対処

低血糖の症状がでたら、放っておいてはいけません。すぐに対処する必要があります。

血糖値がすぐに測れる状況であれば、血糖値を測ります。本当に血糖値が低いかどうかがわかります。すぐに測れないときは、測る必要はありません。

意識がはっきりしているときは、ブドウ糖10g程度を摂取します。砂糖の場合は10-20g程度を飲みます。ブドウ糖のほうが、血糖がすぐに回復します。αグルコシダーゼ阻害薬(ベイスン、グルコバイ)を飲んでいるときは、必ずブドウ糖を飲むようにします。ブドウ糖以外では、血糖が回復するのが、遅れてしまいます。普通は5-10分ぐらいで、低血糖の症状がとれます。15分経っても症状がとれない場合は、もう一度、ブドウ糖、砂糖を飲むようにします。

意識がはっきりしていなくて、ブドウ糖、砂糖を飲めない場合は、ブドウ糖、砂糖をくちびると歯ぐきの間に塗って、すぐに医療機関を受診するようにします。そのほかの方法としては、グルカゴンを注射する方法があります。グルカゴンは家族が注射することができますが、医師からの処方、指導が必要です。意識を失っても、早く対処すれば、意識は完全に回復します。

意識が低下するほどの低血糖を起こした場合は、意識が回復しても医療機関の指示を受けることをお勧めします。とくに、飲み薬(その中でもスルホニル尿素薬)で低血糖を起こしたときは、再び低血糖を起こしたり、意識が再び低下する可能性があるため、必ず医療機関で治療を受けるようにします。

低血糖はすぐ対処を

低血糖はすぐに対処しなくてはいけません。その理由はいろいろあります。

  • 放っておくと、意識を失う可能性があります。
  • たとえ意識を失わなかったとしても、血糖値を上げるホルモンが出ることにより、低血糖の反動として、その後、血糖値が急上昇することがあります。
  • 何回も低血糖を繰り返すと、発汗、動悸、手指の震えなどの症状が出にくくなります。

低血糖を放っておくのは危険です。必ず、対処するようにしましょう。また、低血糖にすぐ対処できるように、ブドウ糖、砂糖は常に携帯するようにしましょう。あめ、氷砂糖、チョコレートなどは、ないよりはましですが、血糖値が上がるのに時間がかかってしまいます。砂糖はペットシュガー(袋入りの砂糖)が持ち運びに便利です。

低血糖の予防

低血糖が起こりやすいのは

  • 飲み薬、インスリンの量が多い
  • 食事が遅れた
  • 食事の量が少ない
  • 運動をしている途中
  • 運動をした後

などがあります。低血糖が起こったときは、原因を主治医とともに探して、可能であれば避けるようにしなければいけません。飲み薬、インスリンの量が多いのであれば減らす必要があります。運動すると血糖値が下がるのであれば、運動するときはインスリンの量を減らしたり、補食で対処する方法もあります。主治医と対処法をよく相談するようにしましょう。

低血糖を恐れすぎない

よい血糖値を目指すと、どうしても低血糖を起こしやすくなります。低血糖をあまりに恐れて、血糖値を高めにしていると、合併症が起こりやすくなります。低血糖は適切に対処すれば、怖いものではありません。低血糖の対策をよく身につけて、よい血糖値を目指すようにしましょう。

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posted by ベスト at 00:05 | Comment(1) | TrackBack(0) | 糖尿病の最重要知識

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この記事へのコメント
Posted by うめちゃん at 2009年05月09日 01:46
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