2005年04月02日

インスリンの出を調べる

インスリンの出を調べる

インスリンはくせになる??糖毒性の解除で、自分のすい臓からインスリンの出が良ければ インスリン治療はやめることもできるというお話をしました。でも、インスリンの出ぐあいって、簡単に調べることはできるのでしょうか?今回は、自分のすい臓からのインスリンの出ぐあいを調べる検査について説明したいと思います。

Cペプチド = CPR = C-peptide immunoreactivity

自分のすい臓からのインスリンの出ぐあいを調べる検査の一つが、Cペプチドです。省略してCPRと呼ばれることもあります。 CPRを測ることにより、自分のすい臓からしっかりインスリンが出ているかどうかがわかります。すい臓からのインスリンの出ぐあいを調べる というと、大変な検査を想像する方もいるかもしれません。Cペプチドを調べるのはそんなに大変な検査ではなく、血液検査や24時間貯めた尿 (24時間蓄尿)で調べることができます。C-ペプチドの評価方法を下の表に示します。

空腹時血中CPR
(ng/ml)
尿中CPR
(μg/日)
グルカゴン負荷後
CPR頂値(ng/ml)
インスリン分泌低下 ≦ 0.5 ≦ 20 ≦ 1.0
インスリン分泌が保たれている ≧ 1.0 ≧ 30 ≧ 2.0

ここに書いてある、グルカゴンというのは、インスリンと同じように 、すい臓から出ているホルモンです。グルカゴンは血糖値を上げる作用があります。血糖値が下がったときに分泌される代表的なホルモンです 。低血糖の治療として使われることもあります。グルカゴンには血糖値を上げる作用のほかに、 直接、すい臓のβ細胞を刺激して、 インスリンを出させる作用も持っているのです。このグルカゴンを注射することにより、インスリンが出るかどうかを調べることもあります。 この表には書いてありませんが、食事の2時間後のCPRを測ることも多いです。血糖が上がったことに反応して、 すい臓からインスリンが出るかどうかを調べるためです。

インスリン治療は必要か

上の表で、「インスリン分泌低下」となった場合にはインスリン治療が必要になることが多いです。「インスリン分泌が保たれている」 となった場合は、食事療法、運動療法だけで、または飲み薬で、治療できることが多いのですが、インスリンが必要になる場合もあります。 ただし、ここに書いてあるのはおおよその目安であり、そのときの血糖コントロールの状態にもよります。 血中のC-ペプチドは採血のときの血糖値により左右されます。空腹時といっても、血糖値が高ければ、CPRは高くなるはずですし (血糖を下げるためにインスリンが多く出ているはず)、血糖値が低ければ、CPRは低いことが予想されます。同じように、 蓄尿のCPRは一日の血糖値に左右されます。

したがって、血糖値の状態、そのときの治療法なども考えて総合的に評価する必要があります。 たとえば、インスリンの出を良くする薬を飲んでいるのにCPRが低めであれば、 自分のすい臓からのインスリンの出ぐあいは悪いと判断せざるを得ません。 また、腎臓が悪いときには血中のC-ペプチドは高くなり、尿中のC-ペプチドは低くなるので、注意が必要です。 最終的には血糖コントロール状況、現在の治療法、合併症のぐあいなどを考慮して、インスリン治療が必要かどうかを判断しています。

CPRを測ると、どうしてインスリンの出ぐあいがわかるのでしょうか?これについては、また説明したいと思います。

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posted by ベスト at 08:56 | Comment(9) | TrackBack(0) | 検査

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この記事へのコメント
こんにちは。3月の診察のときに6年ぶりにCPRの採血しました。今月の受診で結果が分かるので楽しみです。6年前は「0.2以下」との結果で、
主治医に「ほとんど出てないね〜」って言われました^^;
Posted by ちかりん at 2005年04月03日 15:39
こんにちは。6年前、CPR 0.2以下だったんですか。その時の血糖値がわからないとはっきりしたことは言えませんが、低血糖ではなかったとすると、主治医の言うとおり、インスリンは「ほとんど出てない」可能性が高いですね。まぁ、自分の体から出ていなければ、外から補ってあげればいいのですが。久しぶりの結果、楽しみですね。また、教えてください。
Posted by ベスト(管理人) at 2005年04月06日 22:47
こんにちは。お久しぶりです♪
先月のCPRの結果は6年前と変わらず「0.2以下」でした。採血時は低血糖ではありませんでした。
0.2以下の数値はどの検査会社でも測定不能なのでしょうか?
Posted by ちかりん at 2005年04月24日 17:26
こんにちは。CPRは0.01ng/mlまで、測定できる検査キットがあったと記憶しています。どこの検査会社が採用しているかは、記憶していません。わかったら、お知らせしますね。
CPRの測定感度を変えずに、より詳しく調べる方法としては、グルカゴン負荷試験があります。グルカゴンですい臓を刺激した後に、CPRを調べる方法です。でも、いずれにしても、治療方針はあまり変わらないかと思います。
Posted by ベスト(管理人) at 2005年04月26日 00:56
よくCペプチドはインスリンを打っていても内因性のインスリン分泌状態を知れると聞きます。となると疑問なのですが、よくインスリンを使うとき「インスリンを使ってすい臓を休ませてあげる」って言いますよね?インスリン使用中だとCペプチドはどうなるのでしょう??休んだ状態=内因性インスリンは出ていない状態?だとしたらCペプチドをはかる意義は・・・?それとも基礎分泌ラインの30μg/日くらい出ていれば分泌能がある・または回復していると判断するのでしょうか?
質問だらけでスミマセンです(;´Д`)
Posted by パンダ at 2006年05月29日 12:53
「Cペプチドはインスリンを打っていても内因性のインスリン分泌状態を知れる」というのは、インスリンの測定とCペプチドの測定を比較した話です。インスリンそのものを測ると測定した結果が注射したインスリンか自分のすい臓から出たインスリンかわかりませんが、Cペプチドを測ると注射したインスリンではなく、自分のすい臓から出ているインスリンがわかるということです。これは間違いのないことです。
ご質問の「インスリン使用中だとCペプチドはどうなるのでしょう」は難しい質問です。そのときの状態によって変わります。インスリンを注射して血糖値がしっかり下がっているときは、自分のすい臓からインスリンをあまり出す必要がないので、すい臓は休んだ状態になって(=内因性インスリンの出が少なくなって)Cペプチドも少なくなります。このようなときに測ったCペプチドが低くても、血糖値が良いからCペプチドが低いのか、すい臓がインスリンを出す能力がないのか判断がしにくくなります。このような時は、食後に血糖値が上がっているようであれば、食後の血糖値とCペプチドを測定して判断します。血糖値の上昇に反応してCペプチドが増えているようであれば、インスリン分泌能があると判断します。また、記事に書きました、グルカゴン負荷試験を行うこともあります。グルカゴン負荷試験であれば、血糖値が良好のときでも判断ができます(厳密に言うと、血糖値が上がったときのCペプチドの反応と、グルカゴン負荷試験でのCペプチドの反応は異なりますが・・・)。
記事で
「したがって、血糖値の状態、そのときの治療法なども考えて総合的に評価する必要があります。」
と書いたのは、このような理由からです。インスリン治療中で血糖値が低ければ、Cペプチドは低くなる可能性はあります。
インスリン分泌を増やす薬を飲んでいる場合もCペプチドの判断は難しくなることがあります。
ただ、血糖値が高いときにCペプチドがあまり出ていなければ、その時点ではすい臓にインスリンを出す能力がないということはいえます。
長々書いてしまいましたが、お答えになっているでしょうか?
Posted by ベスト(管理人) at 2006年05月30日 22:57
いつもご丁寧な回答有難うございますっ!!!
「血糖値の上昇に反応してCペプチドが増えているようであれば、インスリン分泌能があると判断します。」
↑なるほど!と思いました。そうすればインスリンですい臓が休まって良好な状態か、ただ分泌能が落ちているだけなのかわかりますよね。
インスリンを打っていて、すい臓は基礎分泌以下に休まることってあるのですか?イメージだと追加分泌分を休めて。。って感じがしてしまうのです。だからインスリン打っていてC−ペプチドが基礎分泌分(30μg/日くらい)あれば分泌能は保たれているって勝手に解釈してましたが・・間違いでしょうか??また質問でスミマセン・・m( __ __ )m
Posted by パンダ at 2006年06月01日 08:41
インスリンを注射していて、血糖値がある程度コントロールされていて、尿中C−ペプチドが30μg/日以上あれば分泌能はある程度保たれていると判断してよいと思います。
「インスリンを打っていて、すい臓は基礎分泌以下に休まることってあるのですか?」
極端な話ですが、インスリンを注射して、低血糖になっていれば、血中Cペプチドはかなり低くなり、測定できないほど低くなることもあります。このような血糖値が、1日中続けば、尿中Cペプチドがかなり低い値をとる可能性はあります。
ただ、通常は食後の血糖値は上がっていることが多いので、尿中Cペプチドを測定すると、そこそこの値にはなります。
血中CPR、尿中CPRともに、そのときの血糖値のコントロール状況、治療法を考慮して、判断することになります。
Posted by ベスト(管理人) at 2006年06月05日 11:23
初めまして、KENTAと申します。
私は約一年前に、2型と診断されました。このときの空腹時164、A1c9.6、ケトンと尿3+、体重107.2でした。しかし2ヵ月後には正常値範囲(4.3〜5.8)に収まり、ここ8ヶ月は5%台で安定、先日の検査ではA1c4.8、3時間後141、体重64.2でした。
しかし、今まで担当医にインシュリン分泌検査を要請しても、必要ないと却下され続けております。
私として知りたい琴と恐れているのは、膵臓ベータ細胞のアポトーシスです。今の自分の膵臓にどれだけの力が残っているのか知りたいのですが、それを話しても必要ないの一点張りです。
このA1cの数値から考えて、どれだけ膵臓に残存能力が考えられるでしょうか?
Posted by KENTA at 2006年08月29日 20:20
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