2005年03月11日

食事療法の基本

食事療法の基本は

  1. 適切なカロリーの摂取
  2. 糖質、脂質、蛋白質の適切なバランスをとる

です。

適切なカロリーの摂取

過剰なカロリーを摂取すると、体重が増えてしまいます。すると、インスリンの効き目が悪くなり、 悪循環になってしまいます(糖尿病の治療 もご覧ください)。

逆に、体重が減るとインスリンの効き目はよくなり、血糖値は改善します。 適切なカロリー摂取は体重減少をきたす前に、血糖コントロールがよくなることが知られています。

適切なカロリー摂取は糖尿病治療の根本です。

それでは、適切なカロリーとはどのように決めればよいのでしょうか?

原則は エネルギーバランスを均衡に保つ(または負にする)ということです。

つまり、

  • エネルギー摂取量(食事量)と
  • エネルギー消費量

のバランスを保つことです(減量する場合は、負に保つ)。

エネルギー消費量は

  • 基礎代謝
  • 食後の熱産生
  • 身体活動に伴うエネルギー消費(運動量)

から成り立っています。

  • 基礎代謝とは、呼吸をしたり、心臓を動かしたり、生命を維持するために必要な最低限のエネルギーのことです。
  • 食後の熱産生とは、食事をとった後に、自律神経を介して起こる熱産生です。食事をとった時に、汗が出たり、体温が上昇して体がほてったりするのを誰でも経験していると思います。それが、食後の熱産生です。
  • そして、運動により使うカロリーです。

しかし、これらのそれぞれを正確に測定することは困難です。

基礎代謝は、年齢、身長、体重、脂肪量、筋肉量などからある程度推定することはできますが、 正確な測定は困難です。

食後の熱産生を測定するのも困難です。運動量も体重、運動の種類、運動時間などにより、 おおよそ予測することはできますが、正確に測定するのは困難です。

エネルギー消費量を正確に測定するのは困難であり、それではエネルギー摂取量(食事量)を決めることができません。 それでは、どうすればよいのでしょうか?

妥協策として、まず標準体重を求めて、その人の運動量に応じて、必要なエネルギー量を推定して、 食事量を決めることが多いです。標準体重の決め方にはいろいろありますが、Body Mass Index (BMI)法を使うことが多いです。

BMIは

BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)

で求めることができます。

BMI 22前後の人が最も病気になりにくいとの研究結果から標準体重は

標準体重 = 身長(m) x 身長(m) x 22

で求めることができます。

摂取エネルギーの目安は

摂取エネルギー量 = 標準体重 x 身体活動量

で求めます。

ただし身体活動量(kcal/kg標準体重)は

労作 身体活動量(kcal/kg標準体重)
軽労作(デスクワークが主な人、主婦など) 25-30
中労作(立ち仕事が多い職業) 30-35
重い労作(力仕事の多い職業) 35-

となります。

この計算式で求められる摂取エネルギー量の目安は、あくまで「目安」であって、 年齢、性別、合併症の有無、肥満の有無などによって、適切な摂取エネルギー量は変わります。

さらに、体重の推移をみて変えていくこともあります。 摂取カロリーを守っていても、どんどん太っていくようであれば、摂取カロリーを減らしていく必要があります。 肥満が改善しない場合も、減らす必要があるかもしれません。 逆に、良好な血糖コントロールがされていて、どんどんやせていく場合には少しずつ摂取カロリーを上げていくことがあります。 ただし、血糖コントロールが悪いときに体重が減っていくのは、摂取カロリーが少ないからではなく、 血糖コントロールが悪いため体重が減っているので、摂取カロリーを減らすことはありません。 血糖コントロールをよくすることが先決です!

糖質、脂質、蛋白質の適切なバランスをとる

摂取エネルギー量の50-60%を糖質(炭水化物)とし、蛋白質は標準体重1kgあたり1.0-1.2g、 残りを脂質でとるようにするのが基本です。脂質の摂取量は総エネルギー量の25%以内にするようにします。

これだけの説明で、食事を決められる人はほとんどいないと思います。 糖尿病の方は、栄養士に指導を受けることをお勧めします。保健所などでも受けられることがあります。

重要なポイントをあげておきます。

脂肪の摂取を控える
脂肪を摂取し過ぎると、インスリンの効き目が悪くなる可能性があります。脂肪を摂取しすぎると、体重が増加しやすくなります
単純糖質の摂取を控える
同じ炭水化物(糖質)でも、ご飯、パン、麺類などの糖質は「複合糖質」とよばれ、消化に時間がかかり、満腹感も得やすくなります。 一方、果物、清涼飲料水、お菓子などに含まれている、ショ糖、果糖などは「単純糖質と呼ばれ、腸からすぐに吸収されます。 すぐ吸収されるため、血糖値が上がりやすくなります。 また、複合糖質と比べると満腹感が得にくくなります。 果物はビタミンを含むのである程度の摂取は必要ですが、とり過ぎないようにしないといけません。

簡単に言うと、脂っこいものと甘いものを食べ過ぎないようにするのが基本です。 繰り返しになりますが、少なくとも一度は栄養士に指導を受けることをお勧めします。

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posted by ベスト at 23:33 | Comment(2) | TrackBack(0) | 食事療法

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この記事へのコメント
はじめまして
私は、母が糖尿病で、
興味があり、少し拝見させていただきました。
食事療法の指導などは受けまして、
医師もついておりましたが、
カルシウムが摂取できず、
骨粗しょう症になりました。
その辺りも、わかりやすく、
書いていただければ、
と思います。
Posted by kaori at 2005年03月16日 22:46
コメントありがとうございます。
カルシウムの摂取は成人では1日600mgが目安になっています。骨粗しょう症の患者さんでは800-1000mgが必要になります。カルシウムが摂取しやすいのは乳製品です(食品交換表の表4)。しかし、乳製品の取りすぎは脂肪の取りすぎになってしまうので、牛乳であれば1日180ml(1.5単位)が目安になります。これで、約180mgのカルシウムを摂取できます。のこりは、カルシウムを多く含んでいる食品(小魚、ひじき、わかめ、豆腐、納豆など)から摂取するようにします。
骨粗しょう症を防ぐためには、カルシウムの摂取だけではなく、適度な運動をすること、日光を浴びることも必要です。場合により、薬でカルシウムを摂取したり、骨粗しょう症の薬を飲む必要もあります。。
Posted by ベスト(管理人) at 2005年03月19日 09:43
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