2005年02月13日

糖尿病の診断、糖尿病は「糖尿」が本質ではない

「糖尿病」イコール「尿に糖が出る病気」ではありません。

糖尿病でも尿に糖が出ないこともあれば、糖尿病でなくても尿に糖が出ることがあります。 (ただし、尿に糖が出ているときは糖尿病の可能性が高いため、必ず検査を受けてください)

糖尿病は「血糖値」が高い病気

糖尿病とは「血糖値」(血液の中のブドウ糖の濃度)が高くなる病気です。 では、正常な血糖値とは、どのくらいなのでしょうか?

血糖値の正常域は、

  • 空腹時の血糖値が110 mg/dl未満
  • さらに、75gの糖を摂取したあと2時間後の血糖値が140 mg/dl未満
です。

糖尿病の診断基準

下記のいずれかを確認できれば「糖尿病型」とします。

  1. 随時(食事や採血の時間に関係なく)血糖値が200 mg/dl以上
  2. 空腹時血糖値が126 mg/dl以上
  3. 75gの糖を摂取したあと(75g糖負荷試験)、2時間後の血糖値が200 mg/dl以上

たまたま検査のとき血糖値が高かったという可能性もあります。 そこで、別の日に行った検査で、「糖尿病型」が2回以上あれば、糖尿病と診断します。 ただし次のうち1つがあれば、「糖尿病型」が1回でも、糖尿病と診断します。

  1. 糖尿病の典型的な症状がある (のどが渇く、水分をとる量が多い、おしっこの量が多い、体重が減る)
  2. HbA1cが6.5%以上(HbA1cは血糖の平均値をあらわす検査値です)
  3. 糖尿病性網膜症がある。

正常型でも糖尿病型でもない場合を「境界型」といいます。 境界型については今後また説明したいと思います。

まとめると、次の表のようになります。

75g糖負荷試験による判定区分
正常域 糖尿病域
空腹時血糖値 < 110 ≧ 126
75g糖負荷試験で2時間後の血糖値 < 140 ≧ 200
75g糖負荷試験の判定 両者を満たすものが正常型 いずれかを満たすものが糖尿病型
正常型にも糖尿病型にも属さないものが境界型

随時血糖値≧ 200も糖尿病型です。

以上のように、糖尿病の診断に「尿に糖が出る」ということは関係ありません。 血糖値が高くなると、「尿に糖が出る」ようになります。 血糖値がどのくらい高くなると、尿に糖が出るかは、人により異なります。 だいたい血糖値が170mg/dlぐらいになると、尿に糖が出ることが多いです。

したがって、糖尿病で血糖値が高いときは、尿に糖が出ます。 糖尿病でも血糖値があまり高くないときは、尿の中に糖は出ません。 尿に糖が出ないから安心ということはありません。 尿に糖が出なくても、血糖値が高ければ、合併症が進む可能性があります。 糖尿病の状態を正確に知るには「尿糖」ではなく「血糖値」の状態を知ることが必要です。

むかしは、糖尿病は「尿に糖が出る病気」と考えられていたので、このような名前がついてしまったのです。 現在では、糖尿病は「血糖値が高い病気」であり、血糖値が高くなると、「尿に糖が出る」ようになる、ということがわかっています。 したがって、本当は「高血糖症」、「高血糖病」のほうが良いかもしれません。

もっと詳しく知りたい方は日本糖尿病学会のホームページより 「糖尿病診断基準」をどうぞ。

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posted by ベスト at 18:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 糖尿病の最重要知識

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